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小林よしのり
2017.10.7 00:30政治

リベラルは左翼ではない、自由である


世の中には頭の悪い人がいるもので、リベラルは左翼だと

思っているらしい。

マルクス主義を信奉する共産党は左翼だが、立憲民主党は

リベラルであって、左翼ではない。

 

立憲民主党は共産党と選挙で連携するだけであって、合流

するわけではない。

 

厳密にいえば、共産党もどんどん変わって来ているので、

天皇制廃止や自衛隊廃止なんてことは、もう言っていない。

遠い遠い未来のための公約であって、どうせそんな時代は

来ないのだから、共産党の建て前だろう。

 

共産党も段々、市民政党になってきていて、天皇退位に

関しても、一部わしに協力してくれたし、政策としては

新自由主義に反対し、反グローバリズム、反TPPの方針

など、わしの考え方と同じである。

 

不思議なことに、共産党の方針はナショナリズムに基づいて

いて、「保守」と重なり、むしろ自民党や維新の党など、

自称保守の連中の方が、グローバリズムを妄信しており、

グローバリズムは国境をなくすイデオロギーなのだから、

まさに左翼である。

 

リベラルは、もちろん「自由」を信奉するのだから、

共産主義革命などするはずがなく、共産主義になったら、

表現の自由、言論の自由がなくなってしまうので、

共産党と選挙で協力し合っても、共産党と合流は

できないのである。

 

そして、リベラルな精神のある者が、「内心の自由」を

侵す「共謀罪」なんかに賛成するはずがないのであり、

思想・言論を統制される「希望の党の踏み絵」を踏む

はずがない。

あの踏み絵を踏んだ者は、リベラルな精神を持たなかった

のである。

 

枝野幸男氏は、自分は「リベラル的な保守」と言っており、

その感覚はよく分かるし、本人は必ずしも護憲派ではない。

護憲派も背負う役割を引き受けているわけであって、

今の枝野氏はまるで西郷隆盛のようになっているが、

決して西郷のように滅びることはないだろう。

なぜなら枝野氏は「リベラル保守」であって、リベラル

の価値は絶対に滅びないからだ。

 

保守が堕落して自由を封じるエセ保守になる危険性が

あるとき、リベラルは強力な対抗勢力として、支持を

得るだろう。

今がまさにその時で、選挙戦のふたを開けたら、意外

なほど、議席を獲得しているはずである。

 

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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